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感じるということ


私が好きな功法の中に、「朝日の呼吸」というものがあります。

目の前に姿を現したばかりの朝日をイメージして、そのエネルギーをからだの中に取り込むというもの。
繰り返しおこなっているうちに、最初はイメージしていた朝日の温もりや色などが、
なんとなく実感としてそこにあるような感覚になってくるものです。


私に撮って印象的な朝日の風景は、中国で見た朝日。
「五台山」に行った時のことだったと思います。(写真)
  

明け方3時半だったか4時だったか、まだ暗い時間にホテルを出発して、
朝日が眺められる山の上の寺院に出かけました。

防寒着に身を包み、寒さをこらえながらひたすら朝日が昇ってくるのを待っていると
東の空が少しずつ明るくなりながら茜色を帯びて、朝日がのぼってくる場所がはっきりしてきます。
徐々に空は光がまして、朝日が昇り始めたとき誰からともなく拍手が起こりました。

気がつけば私は泣いていました。

自然の営みはすごい!
私たちの中にある何かと響きあって、大切なことを思い出させてくれます。
そこには「考え」を差し挟む余地などありません。
「感じる」ということはそういうことではないかと思うのです。


イメージには力があります。
実際に「体感」したことをイメージすれば、その体感は簡単に呼び起こすことができ、
その感覚はとてもリアルです。

「感じる」ということは「生きる」ことと、深くつながっています。